血管内治療


動脈塞栓術

血管内治療とは

 血管内治療とは、動脈や静脈にカテーテルといわれる細い管を挿し込んで血管の内側から治療する方法です。大きく2つに分けて、血管を内側から広げる血管拡張術と、血の流れを止める血管塞栓術があります。 当院では血管塞栓術(動脈塞栓術)を専門としています。 治療適応に関してはこちらをごらんください

 

 動脈塞栓術とは、腫瘍に栄養を送っている血液の流れを止めて、腫瘍が育つのを阻止したり、壊死させる治療法です。当院では主にSAP-Microsphere(サップ・マイクロスフェアー)という塞栓材料を使用しています。開腹手術に比べて体の負担が少なく、短い入院期間で治療できます。 当院での動脈塞栓術の適応は以下の通りです。 詳しい治療適応に関してはこちらをごらんください

  • 肝細胞癌,悪性腫瘍の肝転移
  • 乳癌とその転移
  • 肺癌とその転移
  • その他の悪性腫瘍
  • 血管形成異常
  • 子宮筋腫

 

肝動脈塞栓術

大腿の付け根にある動脈を穿刺し、大動脈内にカテーテルを挿入します。血管造影を行いながら、肝臓の腫瘍の近くまでマイクロカテーテルという直径1mm程度の細い管を動脈内に進めます。
マイクロカテーテルより抗癌剤を動脈内に注入します。腫瘍の直ぐ近くより薬剤を注入することによって腫瘍には高濃度の薬剤が分布します。このため、全身化学療法よりも少ない量の抗癌剤で治療ができるため、全身的な副作用を軽減することができます。
抗癌剤の動注後に、カテーテルより塞栓物質を注入します。塞栓により腫瘍への血流を低下させ、腫瘍を兵糧攻めにします。また、症例によっては塞栓物質に抗癌剤を吸着させることで、治療効果を高めることができます。
塞栓後に撮影を行い、腫瘍の栄養血管が絶たれたことを確認して終了します。カテーテルを抜去した後は傷口を圧迫止血します。治療後は3~4時間の安静が必要ですが、その後は歩行が可能になります。

 

動脈塞栓術の定義

 動脈の中にカテーテルを通し、なるべく病変の近くまでカテーテルを進めて血管塞栓物質を注入し、目的の病変を治療する方法で、狭義ではいわゆる“腫瘍の兵糧攻め”と言われる治療法です。さらに広い意味では塞栓物質を注入して血流を調節し、治療部位での薬剤分布を良くすることで薬剤の治療効果を増強させる方法です。この方法を更に発展させて薬剤を治療局所で徐放させるDDS(Drug Delivery System)にも応用可能と考えられています。

 

血管内治療の三種の神器

血管造影装置

血管造影装置

エックス線を使って体の中を透視し、正確に病変部にカテーテルを導くための画像装置です。当院では血管造影装置にCT装置を組み合わせたIVR-CTと呼ばれる装置を用いており、正確に病変部の診断と治療が行うことができます。

カテーテル・マイクロカテーテル

動脈内を進めるカテーテルは1.5mm程度の太さの管です。(写真黒色) いろいろな種類の形状ものものがあり、血管の形に応じて使い分けています。治療の際にはカテーテルの中にさらに細いマイクロカテーテルを通します。(写真白色) マイクロカテーテルを操り、病変部に選択的に抗癌剤を注入したり、塞栓術を行うことができます。

塞栓物質

標的とする腫瘍の栄養血管を塞栓するのに用います。当院ではSAP-MSという球状塞栓物質を用いています。この塞栓物質はすでに欧米では認可され、血管内治療に用いられています。この塞栓物質は高吸水性ポリマーでできているため、液体を吸収して大きくなります。ほとんどの抗癌剤を吸収することができ、組織中でゆっくりと抗癌剤が溶け出すことがわかっており、実際の治療に応用しています。

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