血管内治療(カテーテル治療)とは

血管内治療とは、カテーテルという細い管を使い、病気の治療を行います。血管内治療には動脈硬化で流れが悪くなった血管を広げる血管拡張術や、出血など際に血流を止める塞栓術など様々な手技があります。がん治療における血管内治療には「がん」に栄養を送る血管から抗癌剤などの薬を注入する動注療法や、その血管を遮断する塞栓術があります。当院では局所的ながん治療として血管内治療(カテーテル治療)を専門的に実施しています。

血管内治療の方法

  1. 足の付け根の動脈に1.5 ㎜程度の細い管(カテーテル)を挿入します。このカテーテル内にさらに細いマイクロカテーテルを挿入し、がん細胞を栄養する血管までカテーテルを到達させます。

  2. 目的の位置までカテーテルが挿入できれば、カテーテルから造影剤を注入し、血管の撮影を行います。それにより目的のがん組織にきちんと治療薬が分布することを確認します。

  3. がん組織へ栄養を送る血管を見つけ、その血管から抗癌剤の注入や血管の塞栓を行います。

治療の後は3-4時間の安静が必要です。
安静が終われば通常の歩行は可能になります。

血管内治療のメリット

  • ■ がん組織に高濃度の抗癌剤が行わたります。
  • ■ がん組織への栄養を止めることでき、高い治療効果が得られます。
  • ■ 使用する抗癌剤はとても少なく、副作用は殆どありません。

IGTクリニックの血管内治療

当院は、日本で唯一の血管内治療を専門とした有床クリニックです。

当院は、がんに対する血管内治療では、日本で最も症例数が多いクリニックです。

(日本IVR学会調べ)

豊富な治療経験のある熟練したスタッフにより、安全かつスピーディーな治療を行うことで、より良い医療を提供しています。

血管内治療でできること

血管内治療は「肝臓癌」の治療法の一つとして知られている治療ですが、肝臓がん以外にも「胆管がん」や「転移性肝がん」などでも治療が可能です。肝臓の転移が問題になる場合にはそれぞれの患者さんの状態に合わせて治療を行います。また「肺癌」や「縦隔リンパ節転移」、「頭頸部腫瘍」など様々な領域の癌を治療することができます。

血管内治療(カテーテル治療)

肝臓癌に対する血管内治療

肝臓がんの治療には手術やラジオ波焼灼術(RFA)といった局所治療がありますが、大きさや数に制限があり、進行癌の場合には治療を行うことができません。一方で血管内治療(カテーテル治療)は数や大きさには制限がなく、肝機能が保たれている場合には治療を行うことができます。肝臓がんは多くの場合には腫瘍の血管が非常に豊富です。

この腫瘍血管を塞栓し血流を遮断することで、肝臓がんを壊死させることができます。また、少量の抗癌剤を併用することで高い局所効果が得られる治療です。当院では薬事放出性の球状塞栓物質(HepaSphere™) を用いた血管内治療(カテーテル治療)を積極的に行っています。

転移性肝癌に対する血管内治療

「大腸がん」や「肺がん」等で肝臓に転移がある場合には、肝臓以外の臓器にも転移がある可能性があります。転移性肝がんの場合には、局所治療である血管内治療はあまり良い選択肢ではないように考えがちですが、病態や病状に合わせて治療を計画することで有効な治療手段となりえます。

肝臓の転移はほかの臓器の転移に比べて増大が速い場合があり、肝転移の増大が予後に大きく関わることがあります。化学療法の効果がない場合や副作用などで十分な治療ができない場合などでは、肝転移の治療を行うことで予後の改善が期待できます。副作用も軽微であることが多いため、QOL(生活の質)を維持した状態で治療継続が可能です。

気管支動脈動注塞栓術

肺癌・縦隔リンパ節転移に対する血管内治療

肺には肺動脈と気管支動脈という2 本の動脈が流れています。気管支動脈は太い気管支周囲の血管で、肺の中心付近の肺癌やリンパ節転移はこの気管支動脈から栄養されていることがほとんどです。肺の中心部や縦隔は大切な血管や気管支が集中する場所ですので、この場所に腫瘍があると、つらい息切れや激しい咳症状、血痰症状などの呼吸器症状の原因となってしまいます。

そこで局所的な治療として、気管支動脈から抗癌剤の注入や塞栓術を行い、呼吸器症状の原因となっている病変を治療します。高濃度の抗癌剤ががん組織内に分布するため、高い局所効果があり、呼吸器症状を和らげることが期待できる治療です。

乳腺局所動注塞栓術

再発・進行乳癌に対する血管内治療

術後再発や進行しており手術ができなかった場合などで、乳房で腫瘍が大きくなり皮膚に大きな潰瘍(かいよう)を作ってしまうことがあります。この場合、多量の出血や浸出液が問題となり日常生活に大きく影響を与えてしまいます。血管内治療では乳房の腫瘍に栄養を送る血管に抗癌剤の注入や塞栓を行うことで、腫瘍からの出血や浸出液を減らすことが期待できます。また、手術や化学療法を希望されない方には、局所での進行を抑え、潰瘍化を予防するために治療を計画することもあります。

疼痛緩和としての血管内治療

がんは大きくなることで周りの組織に悪影響を及ぼし、時には神経を圧迫して激しい痛みを伴うことがあります。
神経障害性疼痛は鎮痛剤ではなかなかコントロールすることができず、日常生活に大きく影響を与えます。血管内治療で痛みの原因になっている病変を治療することで神経への圧迫を減らすことで、疼痛緩和効果が期待できます。

子宮動脈塞栓術

子宮筋腫に対する血管内治療

子宮筋腫は良性腫瘍で、小さいうちは問題になりませんが、大きくなることによって月経困難症や下腹部の圧迫症状が問題となってきます。子宮筋腫は非常に血管構造に富んだ腫瘍で、子宮動脈や卵巣動脈から栄養されています。血管内治療ではこの筋腫を栄養する子宮動脈を塞栓することで、筋腫への血流を遮断します。

血流を遮断された筋腫は壊死し、ゆっくりと縮小します。また、筋腫の周囲の子宮の血流も低下するため、過多月経などの症状も緩和されることが期待できます。

ここで紹介した部位以外にも、様々な部位に対応しております。

頭頸部や縦隔、肺、肝臓、胆嚢、脾臓、骨盤内の実質臓器以外にも子宮筋腫にも対応しております。
当院の血管内治療は、部位に関わらず保険適用診療です。
患者様の症状に合わせて最適な治療を行いますので、まずは、お気軽にご相談ください。

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血管内治療でできないこと

血管内治療はがん組織を栄養する血管に抗癌剤の注入や塞栓を行う治療です。
注入された抗癌剤や塞栓物質の多くはがん組織に分布しますが、周囲の組織にも分布します。そのため、がん組織の周囲にどのような組織があるかで治療できるかどうかが決まってきます。

例えば、脳腫瘍や脊髄の腫瘍では治療を行うことで脳梗塞などの重篤な合併症を引き起こしてしまうため治療ができません。
また、大腸などは抗癌剤や虚血に弱い組織ですので、大腸癌の原発病巣は治療することが難しい病気です。その他にも、がん組織を栄養する血管にカテーテルが挿入できない部位や栄養する血管が見つからない場合にも治療することができません。また、血管内治療は手術や放射線治療とおなじ局所治療です。局所的な治療を行っても、予後の延長や病状の改善ができない場合には行うことができません。

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